マダニが媒介する感染症と対策

 

私たちの身近にいる「マダニ」

 

キャンプ場や山道はもちろんのこと、公園や河川敷といった非常に身近な場所にも生息しています。

 

しかし、マダニはSFTSといった命に関わる感染症の原因となるのです。

 

この記事では、そんなマダニが媒介する感染症と対策について紹介します。

 

MEMO

マダニは、以下のように分類されます。

 

 

マダニが媒介する感染症の種類

 

マダニが媒介する感染症は、以下のような種類があります。

 

感染症 感染経路 潜伏期間 症状
クリミア・コンゴ出血熱 ウイルスを保有したマダニに刺咬されたり、ウイルスを保有した動物の血液や排泄物に触れることで感染する。 2~9日 発熱、頭痛、筋肉痛、関節痛を起こし、重症化すると点状出血や大紫斑など多様な出血が見られる。
回帰熱 マダニ類やシラミに刺咬されることで感染する。(国内では、シラミによる感染は発生していない。) 1~2週間 発熱期(3~7日)、無熱期を数回繰り返す。発熱期は感染後5~10日を経て、頭痛・筋肉痛・関節痛・咳を伴う発熱などがみられ、場合によって神経症状・リンパ節腫脹・呼吸不全・出血症状がみられる。
重症熱性血小板減少症候群(SFTS) ウイルスを保有するマダニに刺咬されたり、感染した動物の体液などで感染する。また、感染患者の体液・血液との接触感染も報告されている。 6~14日 発熱や消化器症状(嘔吐、下痢など)が主な症状で、頭痛・筋肉痛・神経症状・リンパ節腫脹・呼吸不全症状・出血症状がみられる場合もある。
ダニ媒介脳炎 ウイルスを保有したマダニに刺咬されることで感染する。また、ヤギやヒツジの生乳を飲んで感染する場合もある。 1~2週間 中央ヨーロッパ型ダニ脳炎とロシア春夏脳炎に分類される。中央ヨーロッパ型は二相性の経過をたどり、第一相ではインフルエンザ様症状がみられ、第二相では痙攣・めまい・知覚障害などの中枢神経系症状がみられる。ロシア春夏脳炎では、頭痛・発熱・悪心・嘔吐などがみられる。
ツツガムシ病 リケッチアを保有したツツガムシ(ダニの一種)に刺咬されることで感染する。 5~14日 全身倦怠感や食欲不振と共に、頭痛・悪寒・発熱などがみられる。
日本紅斑熱 リケッチアを保有したマダニに刺咬されることで感染する。 2~8日 頭痛・発熱・倦怠感がみられ、紅色の発疹が手首や足首に出現する。

参考:厚生労働省 ダニ媒介感染症

   東京都感染症情報センター

 

中でも、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)には注意が必要です。

 

毎年、西日本を中心に60~90人前後が感染しており、致死率も6~30%と高く、有効なワクチンもありません。

 

マダニの活動が活発になる春から秋(3月から12月)、特に5月から8月はSFTS患者が多くなるので、十分に注意してください。

 

MEMO
万が一、マダニに咬まれてしまった場合は、自分で対処せずに医療機関で処置してもらいましょう。

 

吸血しているマダニを無理に引き抜こうとすると、皮膚内にマダニの一部が残ってしまい化膿することがあります。

 

また、マダニに咬まれた後、発熱などの体調不良がみられた場合には、すぐに医療機関で診察を受けるようしてください。

 

マダニ対策

 

マダニは、草むらや田んぼ道など身近な所に生息しています。

 

ウイルスを保有しているマダニに咬まれなければ問題ありませんが、身近にいるマダニがウイルスを保有しているかは分かりません。

 

よって、日頃から草むらなどではマダニに咬まれないように対策することが重要です。

 

マダニ対策:服装

マダニ対策で、最も重要なのは「服装」です。

 

マダニは1mm~5mmと小さく、服のわずかな隙間から侵入してきます。

 

よって、マダニが生息している場所では、半袖といった肌の露出が多い服装は避けるようにしてください。

ポイント
  • 首にはタオルを巻いたり、ハイネックのシャツを着用する
  • 袖口は、手袋や軍手の中に入れる
  • シャツの裾は、ズボンの中に入れる
  • ハイキングなどでは、ズボンの裾に靴下を被せる
  • 農作業や草刈りなどでは、ズボンの裾を長靴の中に入れる

 

マダニ対策:家に持ち込まない

先程も書きましたが、マダニは小さく、衣類に付着していても気付かない場合があり、“いつの間にか家の中に持ち込んでしまった”ということも十分にあり得ます。

 

ですので、マダニを家の中に持ち込まない対策が必要です。

ポイント
  • 着用していた上着などを家の中に持ち込まず、玄関先で脱ぐ
  • 着用した衣類は粘着ローラーなどで掃除する
  • 屋外活動後はシャワーなどで体にダニが付着していないか確認する

 

虫よけスプレーも効果的

マダニの対策として、虫よけスプレーの使用も効果的です。

 

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ただし、虫よけスプレーはマダニを付着しにくくするもので、付着を完全に防ぐものではありません。

 

ですので、虫よけスプレーを過信せずに、服装などと組み合わせて対策しましょう。

 

また、虫よけスプレーは年齢制限がある商品もあるので、使用の際は十分に注意してください。

 

虫よけスプレーの種類と注意点

成分 特徴 年齢制限
ディート 多くの虫に対応しているが、独特のニオイがあり、子供には使用できない場合がある。 ・6ヶ月未満 使用禁止

・6ヶ月以上2歳未満 1日1回

・2歳以上12歳未満 1日1~3回

・12歳以上 制限なし

イカリジン ディートと同等の効果があり、年齢による制限はないが、ディートに比べると対応できる虫が少ない。 なし

参考:アース製薬 虫よけの安全性

 

まとめ

 

最後までご覧いただきありがとうございます。

 

マダニは、身近に生息している生物で、危険意識を持っている人は少ないと思います。

 

ですが、今回紹介したように、マダニはSFTSなどの命に関わる感染症の原因となる危険な生物です。

 

ですので、マダニだからと油断せず、咬まれるようなことがあればすぐに医療機関を受診するようにしましょう。

 

マダニ対策まとめ
  1. マダニは、SFTSなど命に関わる感染症の原因となる危険な生物
  2. 万が一、咬まれた場合は自分で対処せず、医療機関を受診する
  3. マダニが生息している場所で活動する場合は、服装や虫よけスプレーなどで対策をする

 

参考:厚生労働省 ダニ媒介感染症

   東京都感染症情報センター